光学式を用いる変位センサについて

光学式を用いる変位センサについて

最近の計測においては、測定をして得られた結果をコンピューターに入力できるような電気信号として出力する電気素子があります。
そのようなものをセンサと言いますが、測定する物理量により様々なタイプのものが知られています。
物体の位置変化を計測するもののことを変位センサと呼びます。
この電気素子には、測定精度やストロークによりいくつかのタイプのものがあります。
最もストロークが短く精度が高いのが、静電容量変化や渦電流の発生を利用したものです。
それに対し、ストロークが長いわりには精度が高く測れるものに光学式のものがあります。
この電気素子では、散乱光や反射光の到達する位置の変化を検知して、対象物の位置変化を計測します。
この変位センサのもう一つの特徴は、対象物が電気的に導体であるか絶縁体であるかを選ばず、対象物の変位を非接触で計測ができることです。
また、対象物とグローブとの間に特別のセッティングなどを行う必要もありません。

変位センサの渦電流式の仕組みと特徴について

変位センサは様々な種類がありますが、その一つが渦電流式と呼ばれるタイプです。
この変位センサは、高周波磁界を利用して距離を測定するセンサになります。
センサヘッド内部のコイルに高周波電流を流し、高周波磁界を発生させた上で、磁界内に金属の測定対象物を設置することで、電磁誘導作用によって対象物表面に渦電流が流れます。
センサコイルのインピーダンスが変化することで、この現象による発振状態の変化によって距離を測定するという仕組みです。
このセンサは金属のみに行えるのが特徴です。
測定距離は短いもの、精度が高く応答速度も速くなっています。
ほこり・水・油などにも強いため、水や油などが飛散する環境が悪くても使用することが可能です。
また、耐熱性が高いものもあるため、高温の環境下で金属を測定することもできます。
渦電流式変位センサは、小型や薄型などタイプが豊富なのもメリットと言え、用途やスペースに合わせて選ぶことができる上、既存の設備に後付けするという使い方も行えます。

著者:石川亀雄

筆者プロフィール

長崎県佐世保市生まれ。
変位センサを取り扱う仕事をしています。
ここでは原理や選び方をご紹介します。